【転生したらスライムだった件】第18巻第80話~第83話まで!読破

転スラ

今回は【転生したらスライムだった件】第18巻第80話~第83話まで!読破について紹介します。

この中では私の考察を含みますのでご了承ください!

前回、全面戦争となっているクレイマン軍とテンペストの軍は、各地で戦闘を始めていました。といってもベニマルの采配により、勝敗はほぼ決まっていると言ってもいい状況ですが・・・

しかしヤムザ、竜を祀る民との戦闘はまだ終わっていません。

今回はそちらに注視して見て行きましょう!

では【転生したらスライムだった件】第18巻第80話~第83話まで!読破についてみていきましょう!

【転生したらスライムだった件】第80話「大妖の再来」ネタバレ感想

竜を祀る民との激突

「我輩の・・・勝ちである!」

激しい戦闘の末、ガビルはヘルメスを槍で地面に組み伏せました。

スフィアとの戦闘の最中にも関わらず、その様を見ていたミッドレイは笑いながらガビルの強さを評価しています。負けたヘルメスにも厳しく、そこで反省していろ、と告げていました。

余裕な態度のミッドレイですが、スフィアとの「戦闘中」です。自身との戦闘で余りに余裕を見せつけられているスフィアは憤慨し、勢いよくミッドレイに殴りかかりました。

しかし、その攻撃は届くことなくカウンターを入れられ投げ飛ばされてしまいます。

結してスフィアが弱いわけではありません。獣王国ユーラザニアの三獣士の肩書き通り、実力は確かなものであり、さらに現状は「半人半獣」の戦闘形態をとっているのです。

それを「投げ甲斐のある相手」と簡単に片付けてしまうミッドレイの強さは計り知れません。

クレイマンの軍の司令官が「ヤムザ」であるので、まさかこんな手練れがいるなど想像もしていなかったとスフィアは溢しました。

それに対し、ヤムザと比べられたことに不服の表情を見せるミッドレイは、こう告げます。

「こう見えてワシ、ミリム様の組手相手(遊び相手)になれるんじゃからのう。」

なんと、遊び相手とはいえ、あの魔王ミリムと組手ができるというのです。

竜を祀る民の神官長という肩書きのミッドレイやその部下達は、ミリムの部下であり龍人族(ドラゴニュート)なのです。

龍人族とは、ドラゴンが人化し人と交わった種族であり、ミッドレイ達はその末裔にあたります。ガビルがこちらに向かう際、親しみを気配覚えたのは、同族であったからなのです。

まぁ、龍人族といっても「龍体変化」や「龍戦士化」など本来の姿に戻れる者はいないため、実際はほぼ人間と変わらないようです。

ミッドレイから感じられる強さは、魔素量の多さによるものでなく、鍛え上げられた技といったものです。魔人は魔素量の大小で格をはかることが多いですがミッドレイは異なる強さなのです。

「真の強さとは目に見えぬもの。技量こそが唯一無二の確かなる指標よ。」

実力の差を見せつけられたスフィアですが、落胆するわけではなく、ミッドレイの言葉に自身はもっと成長できるということ、と嬉しそうな表情を浮かべました。

お互い気が合い、少し打ち解けてきたとはいえ、ここは戦場で敵同士です。戦闘の意思をミッドレイはガビルとスフィアに問いかけます。

「決まってるだろ。続きだ。」

ガビルとスフィアはミッドレイに向かっていくのでした。

ヤムザVSアルビス

一方その頃、クレイマン軍の本陣付近では、クレイマン軍司令官「ヤムザ」と三獣士筆頭の黄蛇角「アルビス」は戦闘中です。

二人の実力は拮抗いるかに思えましたが、ヤムザは自身の分身を作り出しました。使用者と同一の分身を作り出す魔宝道具によるもので、実力が拮抗している以上、二対一となるとヤムザが有利なのは言うまでもありません。

アルビスが討ち取られると思われた瞬間、アルビスの影から「ゴブタ」が飛び出し攻撃を防ぎました。

どうやらベニマルの采配のようで、いつの間にやら付近にはゴブリンライダーの部隊が出現しました。しかも、以前とは姿が異なり、ゴブリンと牙狼が一体とになっていました。

ゴブタが指示を出し、ヤムザ以外を相手にするようにゴブリンライダー達は行動を開始します。

その様子を見て、ゴブタが指揮官であると悟ったヤムザは、ゴブタに攻撃しますがゴブタも実力者です。不意の攻撃にも対処してみせます。

ゴブタに夢中のヤムザは、アルビスが接近していることに気づくのが遅れてしまい、アルビスのエクストラスキル「天蛇眼」(ヘビノメ)が効果を発揮しました。目線を合わせた対象に毒・麻痺・石化など様々な状態異常をもたらすスキルで、ヤムザの右腕は麻痺し動かせなってしまいました。

さらにアルビスは獣人の本来の姿、「獣人化」の形態をとり、周囲にはアルビスから漏れ出ている稲妻が走ります。

自分でも加減がきかなくなってしまうようで、周囲の味方すらも巻き込んでしまっています。

真の姿になったアルビスは先ほどまで実力が拮抗していたのが嘘のように圧倒的な力でヤムザ無力化してしまいました。

「降伏せよ。さすれば捕虜としての命は保障してやろう。」

アルビスがヤムザにそう告げ、ヤムザも承諾しようとした瞬間、ヤムザに異変が起こります。

先ほどアルビスに麻痺させられ、動かなかったはずの右腕がひとりでに動き出したのです。

ヤムザの意思に反して動くその右腕には、ビー玉ぐらいの大きさの宝珠が握られています。しかし、そんなものヤムザ自身に心当たりはありません。

必死な抵抗をしながらもヤムザは叫びます。

「や、止めろ!お止めください!クレイマン様!!」

ヤムザはクレイマンに信用などされていなかったのです。ただのクレイマンの傀儡のひとつにすぎませんでした。

クレイマンの術により、ヤムザはその宝珠を飲み、急激な膨張をしていくのでした。

暴風大妖渦の再来

「一時休戦だ!!」

ただならぬ気配を感じ取ったミッドレイはスフィアとの戦闘を一旦やめ、周囲に呼びかけました。

同じ頃、中庸道化連と戦闘を行っていたゲルドとフォビオもこの気配を感じ取ります。

戦場に「暴風大妖渦」(カリュブディス)、いつぞやにテンペストへ襲来した魔王と同等クラスの脅威が再び現れました。

カリュブディスには、魔法が効きづらいという特性があり、とても強大な存在です。

先ほど、ヤムザが何らかの宝珠を飲み込み、カリュブディスに変異したのですが、その際分身体までも変異していて二体も出現してしまっています。

カリュブディスの目前にいるアルビスですが、その巨体に自身のスキルは通用しないことを悟ります。

「クソッタレのクレイマンめー!!」

半ばやけになり、自信の周囲に展開していた雷をそのまま技として放ちますが、ダメージは通るものの再生能力の高さによりすぐに回復されてしまいます。

このままではやられてしまい全滅する、アルビスに攻撃が迫った刹那、ベニマルが現れカリュブディスの一部を切断、さらには、その傷口を黒炎で焼き再生できないようにしてしまいました。

「悪いな。完全体になってから遊んでやりたかったが、時間もないんでね。」

そう告げた次の瞬間、一瞬でカリュブディスを焼き尽くしてしまいました。

【転生したらスライムだった件】第81話「死霊の王」ネタバレ感想

逃走

「ほほほ、驚きました。まさか暴風大妖渦(カリュブディス)がこうもアッサリと。」

黒豹牙フォビオとゲルドと戦闘中の中庸道化連の二人、ティアとフットマンも魔王と同等クラスと呼ばれるカリュブディスの一瞬の消滅に驚きを隠せません。

なにしろカリュブディスは自身らでさえ倒せないのです。

現状クレイマン軍は壊滅状態、とっておきと言えるカリュブディスは一瞬で倒されもう打つ手はなく、二人は撤退せざるを得ない状況になってしまっています。

「そういうわけで失礼します。」

そう言った直後、目くらましも兼ねて、最後の攻撃をゲルドとフォビオに放ち、あたりには噴煙が舞います。笑い声とともに去っていった二人は煙が晴れたころには、姿がありませんでした。

二人に逃げられてしまったゲルドはすぐさま、ベニマルに報告を入れます。

フットマンは大鬼族(オーガ)の里の襲撃に深く関与していた者で、本当ならベニマル自身で決着をつけたかったはずです。

それをゲルドに任せ、報告を受けた今も冷静な指示を出しています。今回の戦でベニマルがどれだけ将として優れているか、証明されていました。

戦争の終結

「信じられん・・・あのカリュブディスを。」

カリュブディスの気配を察知し、一旦休戦していた竜を祀る民とスフィア達でしたが一瞬でカリュブディスが消滅したことにこちらも驚きを隠せません。

「カリュブディス」の単語にスフィアも焦りを見せます。以前、フォビオが起こした事件を知っているのですから当然です。

「いや・・・ええと。出たには出たんすけどすぐ消されたっす・・・」

スキル「龍眼」により、一部始終を見ていたヘルメスはスフィアに状況を伝えますが、余計に困惑してしまいます。

竜眼により観察した結果、どうやらあのカリュブディスは本物ではなく、その力の断片のようなものでしたが、それを二対同時に瞬殺したベニマルは「災禍級」(ディザスター)の魔物であるとミッドレイは確信します。

「よぉ、ウチの者が世話になったみてーだな。」

カリュブディスを討伐した、本人ベニマルが竜を祀る民のもとに訪れました。

ですが、すでに和解したと言っても良い状況の両者は完全に戦闘ムードではなく、ベニマルは困惑していました。

ガビルは、竜を祀る民についてミリムの部下で敵ではない、と伝えます。

念のため、クレイマン軍の壊滅を伝え、戦闘の意思があるのか問いかけ、その質問に対しヘルメスは大きく首を振りその意思がないことを伝えますが、

「戦争を続けるかと問われれば否だが、戦う意思と問われたのなら”ある”と答えるな。正確には戦ってみたい、だが。」

ヘルメスの否定もミッドレイのこの発言により台無しです。

さらには、ベニマルもその提案に嬉しそうな表情を見せ、ガビルもギョッとします。

必死に二人を止めるヘルメスとガビルに対し、さすがにベニマルも本気で戦う意思はなかったようです。

それに、お互いの実力を感じている二人は、戦うのならば殺す気ででやらないと負ける双方と感じているようです。

ようやく事態が収束したので、どうやって援軍に来たのか、以前気になっていたことをヘルメスは問いかけます。

戦争が始まる直前のことなのですが、魔法で軍送るのは危険すぎると、リムルとシュナは話していました。異空間を通る際、大量の魔素を浴びてしまうからです。

そこでリムルがとった対策は、対象の保護を組み込んだ軍団魔法を開発する、というものだったのです。

実際に開発したのはリムルのスキル「智慧之王」(ラファエル)なのですが、これは並大抵のことではありません。魔法の開発など一朝一夕でできるものではないからです。

さすがにこの話を聞いた、ミッドレイとヘルメスはお互いの顔を見合わせ固まってしまいました。

「・・・マジすか、今までの常識を覆す軍団魔法をその場で開発!?アリですかそんなん・・・」

もはやあまりの規格外のリムルに対し、若干引き気味です。

「なんでもアリなんだよ。ウチの大将は。」

ベニマルは誇らしげな表情でそう返すのでした。

道化師の弁

その頃、リムルのいる魔王達の宴(ワルプルギス)の会場では、開幕から数刻、クレイマンの弁論は続いています。

クレイマン曰く、魔王カリオンは魔国(テンペスト)の主(リムル)に魔王を名乗るよう仕向け、魔王の座に魅せられたリムルは箔をつけるためにヴェルドラの封印を解く提案をし、その生贄に選ばれたのがファルムス王国なのだと言います。

まんまと焚きつけられたファルムス王国がテンペストに侵攻し、ある程度血が流れたところで思惑通りヴェルドラが復活し、ファルムス王国軍は全滅しました。

これで魔王になれると喜ぶリムルにカリオンが告げます。

「実は魔王には定員があってな。それはすでに満員なんだ。でもどうしてもお前を魔王にしてやりたい。なぁリムルよ。共に魔王クレイマンを殺っちまおうぜ。そうしたら席があひとつ空く。これで晴れてお前も魔王の仲間入りだ。」

これがクレイマンの主張です。最後にミュウランはリムルに殺されましたが、この情報を報せてくれた、と付け加えてこの主張は一段落したようですが、作り話をよくもまぁ堂々と話せるものです。

話の真偽はともかく、肝心のカリオンががいないのはどうしてなのか?と巨人の魔王「ダグリュール」は当然のことを問いかけますが、クレイマン曰く、カリオンの企みを知ったミリムが激昂し国ごとカリオンを葬ったんだそうです。

最後に魔王の間の相互不可侵条約をミリムが破っているため、ミリムが正しかったとその証拠を集めるために獣王国ユーラザニアに軍を送り調査しているのと、リムルの一連の行動から始末するのがよい、と主張し、クレイマンの証言は終わりました。

次にリムルの証言となります。

「・・・クレイマンだっけ?お前嘘つきだな。」

開口一番、そう言い放つリムルはクレイマンの先ほどの嘘を一つずつ説明していきます。

まず、ミュウランは生きていますし、リムルは魔王の座に執着などしていません。魔王カリオンにしても、謀略を考えるタイプではありません。

クレイマンはそんな言い訳信じる者はいない、ヴェルドラの威をかりて強気になっているだけのスライムが、と反論します。

「・・・そこが一番違う。確かにヴェルドラの威光を使わせてもらうことはあるけどな。それ以前にあいつはただの友達だ。」

さすがのクレイマンもこれには呆気にとられました。

それに証拠がないのはお互い様です。クレイマンの証言も配下の報告でその配下は殺されたと言っていたので確認はできません。

なおも見苦しく、リムルに対し、暴風竜の威を借りた一介の魔人ごときに話をさせるな、と主張するクレイマンでしたが、リムルは椅子をクレイマンに向け蹴り飛ばし、強制的に話を止めました。

「さっきも言った通り、魔王なんざどうでもいい。俺は俺が楽しく過ごせる国を作りたいだけでね。それには人間の協力が必要不可欠だし、だから人間を守ると決めた。それを邪魔する者は人も魔王も聖協会も全て等しく敵だ。クレイマン、お前のようにな。」

リムルは自分の意見をきっぱりクレイマンに向け言い切りました。

一連の様子を静観していた魔王「ギィ・クリムゾン」は、そこでリムルに対し、魔王になるつもりはあるのか?と問いかけました。

リムルは既にジュラの大森林の盟主を引き受けていますし、人からすればリムルの意思がどうあれ魔王なので、そのつもりであると答えました。

その返答に満足そうなギィはここで条件を出します。

ここには丁度魔王達見届け人が揃っています。魔王達の前でクレイマンに勝てたならリムルが魔王を名乗ることを許すということです。

こうして様々な思惑がある中、ワルプルギスは続いていくのでした。

示指のアダルマン

その頃、シュナ・ハクロウ・ソウエイの三人は気配を消しながらクレイマン領を進んでいました。クレイマン領の拠点を攻めるのが目的です。

辺りには霧が立ち込めており、視界を制限するだけでなく魔素の流れをも乱し阻害するため魔力感知や空間移動なども使えません。

三人はしばらく進むも、まるで敵の気配が感じられません。

「・・・しまった。罠に嵌められたようです。」

シュナが気づいた時には、三人は敵の包囲網の中でした。周囲の霧が空間干渉を引き起こし、包囲網の中心へおびき寄せられてしまったようです。

この包囲網を突破するべく、ソウエイが動こうとしますが敵の軍勢の背後に一際異様なオーラを発している者を発見します。

クレイマンの配下、ミュウランから聞いていた五本指の特徴に合致します。数多の不死系魔物(アンデッド)を従える、拠点の防衛に優れた者、死霊の王(ワイトキング)示指の「アダルマン」に間違いありません。

「如何にも。余がアダルマンである。偉大なる魔王、クレイマン様にお仕えする城と大地の守護者。下賤なる侵入者よ。大人しくその命を差し出すがよい。さすれば苦しまぬよう・・・」

アダルマンの話など聞く気もないハクロウは速攻を仕掛けますが、アダルマンの制御下にある死霊騎士に攻撃を防がれてしまいます。

ハクロウを止めた死霊騎士を含め、周囲のアンデッドはアダルマンに従属しています。であれば、アダルマンを仕留めさえすれば周囲のアンデッドも止まるはずです。

そう考えるソウエイにも、腐肉竜(ドラゴンゾンビ)による攻撃が襲います。

スキル「操糸万妖斬」で即座に仕留めたかに思えましたが、バラバラになった体は再生してしまいました。

ソウエイの技には一撃必殺が付与されていたのですが、相手は死せる魔物の頂点で死に耐性があったようです。

ならば、その魂ごと滅してやろう、と再度攻撃を開始しようとするソウエイにシュナが止めに入ります。

「死霊竜の魂はその体にはありません。冷静な貴方なら見抜けるはずです。」

シュナに言われ、冷静さを取り戻したソウエイは、感知を試みました。どうやら死霊竜の魂はアダルマンの中にあるようです。

それがわかったところで、現状は厳しいものです。

周囲の死霊竜やゾンビ達からシュナを守りつつ、アダルマンを倒さなければならないということなのです。

どう組み立てるか思案しているソウエイに、シュナは自分は守らなくていい、と告げ、竜の相手をしろ、と命じます。

「わたくしはね、怒っているのです。異世界人のふるまい、ファルムス王国の侵攻、それを仕組んだクレイマン、物見遊山で来たのではありません。」

敵の軍勢の前に一歩踏み出したシュナにアンデッド達は襲い掛かります。

「対魔属性結界!!」

シュナが魔法を行使した瞬間、襲い掛かってきたアンデッドは一瞬にして崩れ去りました。

魔法不能領域(アンチマジックエリア)と聖浄化結界(ホーリーフィールド)の融合による効果で、シュナのユニークスキル「創作者」(ウミダスモノ)により作られています。

一定レベルに満たないアンデッドが立ち入ればその身はたちまち崩れてしまいます。

「ここは戦場、わたくしがアダルマンを倒します。」

シュナは守られるだけの姫ではなくなった、と誰もが感じ取った瞬間でした。

シュナにアダルマンを任せることを決めたソウエイは命令通りに死霊竜の相手に走ります。

「フフフ・・・。果敢なお嬢さんだ。せめて楽に死なせてやりたいが残念ながら手加減はしてやれぬ。」

アダルマンは自分の優位を疑わず、シュナを哀れに思っていますが、シュナには無用な気遣いです。

アダルマンの忠告を意に介さず、返答するシュナを見て、これ以上語ることはないと言わんばかりに攻撃を開始しました。

「侵食魔酸弾」多数の酸の魔弾がアダルマンの前方から放たれました。

これに対抗するシュナは「幻炎の防壁」で全ての弾を防ぎきります。

ならば、と趣向を変え、「呪怨束縛」怨念のこもった魔法を放ちますが、シュナの「聖なる福音」により全ての怨念は浄化されました。

この「聖なる福音」という魔法、神聖魔法とい分類なのですが、本来魔に属する者が扱える魔法ではありません。神への信仰心がなければ使うことができない魔法なのです。

しかし、シュナは神聖魔法が使えるのは人間だけではない、と語ります。

「奇跡を信じ願う者ならば誰にでもその思いの強さに応えてくれるのです。その対象はなにも聖なる存在である必要はありません。善も悪もないのです。思いの強さこそが力へと変わるのですから。」

その発言に対し、アダルマンはひどく動揺を見せました。

かつてアダルマンはルミナス教の指導者たちにはめられ死地に追いやられた過去があるのです。

その際、自分の信じていた神ルミナスは救いの手を差し伸べてはくれませんでした。

その件以来、アダルマンは神への信仰を捨てたのです。だから自分には神聖魔法は扱えないと思っていました。

改めて、シュナの名を聞き、その名前をつけた者が信仰の対象だと納得しました。

「そなたらなら或いは我らを解放してくれるやもしれぬな。」

なにやら意味深なことを溢すアダルマンにシュナは疑問を持ちます。

我らということは、周囲のアンデッドを含めて指していると思われます。

ならば、なぜさっさとその呪縛を破らないのか?ということです。この周囲に展開されている防衛機構はアダルマンを核に創られています。

シュナの考えでは、アンデッド達はアダルマンにかけられた呪いに組み込まれただけ、と思われます。

「フフフ、そなたの観察眼はすさまじいな。であればこそそう容易く破れるものではないとわかろう。」

アダルマンは、暗に自分ではこの呪縛から逃れられないと語りますが、シュナはアダルマンならば破れると考えていたようです。

また、アダルマンの聖職衣は高位の司祭が羽織るものを身に着けています。ルミナス教に裏切られ、神の信仰を無くし、神聖魔法を使えなくなった今、纏っているのは未練でしょうか?

自分の考えや神聖魔法が使えないことまで見透かされたアダルマンはそれを隠さんとばかりに攻撃を再開しました。

ですが、先ほど完全に防がれた、多数の酸の弾はシュナに通用するはずもなく、またしても完璧に防がれます。

しかし、この攻撃は陽動だったようで、すでに次の攻撃に転じています。

この時、アダルマンの内心は穏やかではありませんでした。それはシュナへの怒りではなく、覚悟が足りない自分自身への怒りです。

シュナの指摘により、やっと自身の思いに気づかされたのです。そのことに関して、恨む気持ちは全くなく、むしろ感謝しているくらいです。

ですが、アダルマンを縛り付けている魔王カザリームの呪いのせいで自殺すらできません。

自分の目を覚ましてくれたシュナに対し、道連れという手段をとることに申し訳なさを覚えつつ、先ほどから準備していた魔法を放ちました。

「万物よ尽きよ!霊子崩壊!!」

せめて苦しまぬよう一瞬で、との思いをこめた一撃に絶体絶命かと思われたシュナですが・・・

「それを待っていました!!霊子暴走!!」

何が来るのか分かっていたかのようなカウンターで、アダルマンの魔法がシュナに上書きされていきます。

アダルマンの動揺も当然です。なにせ、シュナの、魔素量はアダルマンの十分の一ほどしかないのです。

シュナはアダルマンならば、シュナ以上に聖なるエネルギーを集めることが出来ると考えたうえで、それを利用するべく戦闘を組み立てていたのでした。

「見事でした。覚悟を見せて頂いたお礼にこの地から解き放って差し上げましょう。」

アダルマンの構築した聖なるエネルギーを上書きした魔法で、周囲のアンデッド諸共、浄化していきます。

アダルマンを倒したことにより、周囲の霧も晴れていきました。

「さぁ行きましょう。クレイマンの城を制圧しなければ。」

三人は再び、進行を再開するのでした。

【転生したらスライムだった件】第82話「悪魔の忠誠」ネタバレ感想

原初の赤

「ギィ・クリムゾン」原初の悪魔にして魔王の一人です。闇の大精霊より派生した七柱の悪魔族で、彼はその一柱であり、冥界を統べる王でした。

生まれたばかりの色のない下位悪魔はその性質によってやがて七色の系統のいずれかに決まります。

人が召還し使役するのは無色の下位悪魔か、或いは色に染まった上位悪魔が主ですが、時には例外もありました。

これは魔王ギィ・クリムゾンが過去に召還された時の話です。

「なぜ・・・。貴様は敵国を殲滅するために喚び出されたはず・・・!なぜ我が国まで・・・っ!?」

数多の死体の中、唯一生き残っている男がギィに問いかけます。

「対価だよ。悪魔に対し身の丈に合わぬ願いをしたのだからこれくらい当然だろ?」

願いを叶えた後、自身を召喚した者の国まで滅ぼしたようでした。

周囲は断末魔の叫びを上げるものたちばかりで、それを見ているギィ当人は、

「面白い響きだな。人の悲鳴てやつは。オレの名前に丁度いいかもな。」

今から数万年前の出来事で、これがこの世で初めての「真なる魔王」の誕生の話です。

リムルVSクレイマン

「皆さん宜しいのですか?下等なスライムの暴挙を許して・・・。これは我々魔王に対する侮辱ですよ!!」

リムルに提示された魔王を名乗ることの条件、この場でクレイマンに勝てば認めるというギィの発言を聞き、狼狽えながらも状況を打開しようとクレイマンは周囲に訴えかけます。

実際は魔王の数など決まっておらず、人間が勝手に「十大魔王」と呼んでいるだけなのでクレイマンと入れ替わり魔王になる必要はありません。

ですが、数の問題ではありません。リムル然り、クレイマン然り、弱者に魔王の名は相応しくないのです。

周囲の魔王はクレイマンの主張に反応を示さず、ギィからは魔王なら実力を示せ、と言われてしまいます。

「場所は作った。さっさと始めようぜ。」

リムルは今までの経緯からクレイマンへ直接制裁を加えられるということで、やる気満々です。

「やれやれです。自分の手を汚すのを嫌ったばかりに余計に面倒なことになってしまった。本当に失敗でした。命令です。リムル・テンペストを殺しなさい。」

ようやく事態を受け入れたクレイマンは、命令を出すとその瞬間、ミリムがリムルに襲い掛かりました。

結局は他人便りのように思われますが、ミリムは人の命令に従うような者ではないのも事実です。

クレイマンはギィにミリムの参戦にの是非を問いかけ、自分の意思で動くのなら問題はないと言います。

リムルからすると、クレイマン程度ならなんの問題もないのですが、ミリム相手となると話が変わります。

しかし、ミリムは元々助けるつもりであったため、覚悟を決めミリムと相対します。

では、肝心のクレイマンは誰が相手をするのでしょう?

「俺が出たんじゃ弱い者いじめになるからな。俺の部下くれいがちょうどいい。」

リムルが言い終えた直後、シオンが怒涛の連打でクレイマンを殴り飛ばしてしまいました。

「宜しいのですか?リムル様。」

にこやかにリムルへ問いかけるシオンですが、殴り飛ばした後に聞くことではありません。

殴り飛ばされたクレイマンですが、腐っても魔王と言うべきかシオンに殴られた傷は完治していました。再生能力があるようです。

しかし、傷は治ってもプライドの高いクレイマンです。明らかに今までとは違う激昂した様子でした。

クレイマンの影から人形が出てきて、抱いていた狐のような魔物はランガほどの大きさになりました。

「いい気になるなよ・・・皆殺しにしてやる!!」

九頭獣(ナインヘッド)と呼ばれる狐の魔物はランガを相手させ、クレイマンの相手はシオンに任せます。

肝心のリムルは何をするかというと、当然ミリムの相手をしつつ、呪縛を解くために動きます。

ミリムとリムルの戦闘の衝撃により、会場が破壊される勢いでした。

さすがに会場を壊されるのは他の魔王も避けたいところなので、ギィは会場に結界を張ります。

これで心置きなく戦えるようになったリムルは、「智慧の王」(ラファエル)の力を使い、ミリムの呪法の痕跡を探すことに専念します。

正直リムルがミリムに勝てる見込みはないので、呪法の解析まで時間を稼ぐしかありません。

結界の外から状況を見ているラミリスもリムルの過酷な状況に慌てています。

まず、人数でリムル達は三人でクレイマンの方は四人です。しかも、リムルの相手はミリムなのです。

そこで、ラミリスはリムル側に付くことを宣言し、ベレッタをリムルの元へ送ろうと考えますが、ギィに却下されてしまいました。

理由は、リムルとクレイマンの喧嘩なのでラミリスが入る理由がないと言うのですが、それにしては、ミリムの関与には肯定的です。

それに、ベレッタの関与が駄目な理由はもう一つあります。

それは、ベレッタの忠誠が誰にあるのか、分からないということです。

ベレッタを召喚したのはそもそもリムルでした。さらに、ベレッタの契約内容はラミリスに百年間仕えることと、受肉している魔鋼人形です。

契約期間が終われば、リムルに仕えたいとも申し出ていましたし、名付けをしたのもリムルでした。

つまり、ベレッタは現状、二君に仕えているということなのです。

ギィは、ラミリスと古くから友人であり、ベレッタとが同族です。そこを天秤にかけるような者は見過ごせなかったのです。

この場で、ただ一人の主を決めろ、とベレッタに言い放ちました。

「ワレはこの命続く限り、ラミリス様に忠誠を捧げると誓いましょう。なので一度だけリムル様のお役に立つことをお許し願いたい。」

この発言は、ラミリスの忠誠を誓っていると言えないのではないか?と見えてしまうのですが、そもそもラミリスの願いはリムルを救うことなので、矛盾はありません。

「だから言ってんじゃん!アタシはリムルにつくの!」

リムルはトレイニー、ベレッタを本当に仲間でから助けたい、と言うラミリスにさすがのギィも納得しました。

それに、ベレッタがラミリスに生涯つくことを決めた理由はまだあります。

一つは、ディアブロの存在です。自身より強大な悪魔がついているリムルは大丈夫だと考えています。

もう一つは、簡単な話です。ベレッタはラミリスと研究して過ごす日々を気に入っているのでした。

「感謝します。原初の赤(ルージュ)」

ベレッタはギィが許してくれたことに対し、感謝を示しリムルの元に向かおうとしますが、ふと疑問に思ったギィは呼び止めます。

疑問とは、普通悪魔族は強い主を好むのに対し、ベレッタは他のものを重要視しているように見えたのです。

ベレッタの色が何色なのか?と思い当たる節がありつつ、聞いてみました。

「ワレの同色の系統は非常に少ないかと思いますよ。あの方は滅多に直径眷属を造りませんから。」

数の少ない眷属、その言葉で何色なのか確信が持てたようです。

ベレッタが結界内に入った後、ギィは呟きます。

「そうかよ。お前も動くのか。原初の黒(ノワール)」

国盗り

その頃、ファルムス王国を乗っ取るために動いているディアブロは馬車に揺られながら難儀していました。

というのも、シオンの逆鱗に触れたファルムス王やラーゼン、西方聖協会の司教が人としての原型をとどめていないのです。

一体どんなスキルを使えばここまで法則を捻じ曲げられるのか、さすがのディアブロも検討がつきません。生きてはいるのですが、素直に回復魔法が通用しないので少々荒療治をしなければなりませんでした。

周囲には、無理やり体を治しているため、悲鳴が響き渡ります。

はじめに、司教の体を戻し、次は誰を治そうかと考えていると、ラーゼンが瀕死ながらもファルムス王を戻してくれと懇願します。

しかし、忘れてはいけません。ディアブロは悪魔なのです。

つまり、願い事をするにはその代償が高くつく、ということです。

「ワシを・・・いえ私を貴方様の下僕の末席に加えてください。今後この身命の全てを捧げます。ですから、どうかエドマリス王にお慈悲を・・・」

少々ディアブロにとっては安い対価だったようですが、この条件を承諾しました。

ただし、今後リムルに対する不敬は二度と見逃さないし、今後叛意を見せようものなら王のいのちどころかファルムスの地の生命全てを消す、と告げました。

当然ラーゼンはこの条件を了承し、さらに司教もディアブロに従うことを約束します。

その様子を見ていたエドマリス王は実感させられます。

長年王家に仕えていた宮廷魔術師はついにファルムス王国を見限ったのだと・・・。

「余はファルムス王国最後の王として、ディアブロ殿の望むように協力すると約束しようぞ。」

三人とも簡単にディアブロに落ちたのには理由がありました。

ユニークスキル「誘惑者」(オトスモノ)、その権能は思念支配・魅了・勧誘。屈服した対象を精神的に拘束し自由意志は術者の制限を受ける、というものです。

この瞬間、三人の捕虜は心身ともにディアブロに隷属したのでした。

先ほどからの悲鳴を聞き、急に静かになったことを不安に思ったヨウムは、ディアブロが捕虜を殺していないか、問いかけます。

「問題ありませんよ、ヨウム殿。直にファルムスの領内です。国盗りのような些事、さっさと済ませてしまいましょう。」

どうしてもリムルがワルプルギスから期間したときに、出迎えをしたいディアブロは国盗りを些事と言ってのけ、ファルムスへの道中を進むのでした。

【転生したらスライムだった件】第83話「喜狂の道化」ネタバレ感想

秘書の本領

(ヤバイ、ヤバ過ぎる。何がヤバイってそんなの・・・ミリムに決まってる!)

ミリムと直接対決を強いられているリムルの状況は芳しくありません。

かろうじてミリムの一撃必殺の攻撃を避けながら、智慧の王(ラファエル)の解析を進めますが、結果はミリムのクレイマンによる呪法は存在しないというものでした。

この解析結果にラファエルにも見抜けない呪法でミリムは操られているのか?と驚きますが、実際はミリム自体に呪法の痕跡がないだけで、代わりに腕輪の宝珠には発見されました。

ということは、腕輪を破壊すれば解呪できる、と結論を出しました。

しかし、腕輪を壊すのも至難の業です。

ミリムの全身「竜気」に覆われており、生半可な攻撃では通らないし、当たりません。

リムルのアルティメットスキル「暴風之王」(ヴェルドラ)の暴風系魔法なら通用するかも知れませんが、試していないうえに名前からして広範囲スキルなので周囲を巻き込みかねません。

攻めあぐねているリムルに、ラファエルから提案が入ります。

それは、「暴食之王」(ベルゼビュート)による魔素吸収攻撃です。

通常の攻撃が通らない以上、体力を徐々に削って油断につながれば、宝珠を壊せるチャンスが生まれるという考えのようです。

しかし、そんな千載一遇のチャンスを狙うよりは、クレイマンを狙うほうが現実的ではあります。

クレイマン相手をしているシオンに目を向けると、どうやらシオンが優勢のようです。

「魔王を名乗るには弱すぎますね。」

クレイマンの剣を折ったシオンは、余裕の表情を見せ、クレイマンを挑発します。

「スライム風情の手下が調子に乗るなよ!?行け!!踊る人形達!!」

格下と思っている者からの挑発に我慢できず、激昂したクレイマンはスキルによる攻撃に切り替え、周囲から多数の人形が出現しました。

多勢に無勢と思われましたが、一太刀でその全てを両断してしまいました。

さすがのクレイマンもこれには動揺が隠せなかった様子ですが、すぐに平静を取り戻します。

というのも、先ほどの人形はただの人形ではなく、強力な魔人の魂を封じ込めたもので何度でも復活するというものだったのです。

そのため、まだ強気な態度を見せれていたクレイマンですが、その肝心の人形たちは動く気配がありません。

なんと、人形に封入していた魂が消えていたのです。

シオンの大太刀、もしくはシオン自身に「魂喰い」(ソウルイーター)の効果があると考えられます。

いよいよ打つ手が無くなってきたクレイマンに、シオンは容赦なく攻めかかっていきました。

盟友の出現

依然として苦戦を強いられているリムルに九頭獣(ナインヘッド)を相手しているランガから連絡が入ります。

内容は、身の危険はないが困っている、とのことでした。

これだけでは内容が伝わらなかったのですが、リムルの力が必要なのは明らかなのでミリムが一段落したら向かうことを決めます。

とは言っても、現状一段落するとすれば、リムルの体が粉砕されるか、もしくはミリムがヘマして腕輪の宝珠を壊すことができるか、の二つになります。

などと考えていると、魔素吸収攻撃が功を奏したのか、ミリムの体勢がふらつきました。

これは好機と考え、宝珠を壊そうと手を伸ばしますが、隙と思わせてリムルを誘うミリムの罠でした。

好機が一転、ミリムに捕まれ万事休すかと思われたその瞬間、リムルの頭上に渦のようなものが出現しました。

「いきなり何をする!!酷いではないか!!」

なんと、ヴェルドラが召喚経路を自力で逆走してきたのです。

いきなりのヴェルドラの登場にその場の誰もが呆気に取られます。

「おい、お前なんでここに来たんだよ。冷やかしなら帰れよ。」

危機的な状況を偶然とはいえ、救われたにも関わらず酷い言いぐさです。

「リムルよ。貴様、我にあのような仕打ちをしておきながらその言いぐさは酷いのではないか?」

なにやら、ヴェルドラはご立腹のようです。

身に覚えがないリムルですが、ヴェルドラが出したものを見て納得します。

ちょっとした悪戯で漫画のカバーと中身を入れ替えていたのです。最終巻にこの嫌がらせは悪質すぎると半分涙目で訴えかけます。

ちなみに、入れ替えていた別物も読んで、面白かったようです。

偶然の出来事ですが、これはリムルにとってはチャンスです。

ミリムの相手をヴェルドラになら任せられるからです。

などと話していると後方からミリムの蹴りが襲ってきました。

「おお、そうだ。その名思い出したぞ。我が兄の一粒種か。」

ミリムの蹴りを片腕で受け止め、意味深な発言をするヴェルドラに対し、少し気になるリムルですが、今はランガの援軍に向かうことが先決です。

操られているだけなので、怪我をさせないように、と念押ししてランガの元へ向かっていきました。

ミリムの相手を快諾したヴェルドラは、ミリムの様子を見て何か気づいた様子です。

「良かろう。遠慮なくかかってくるが良い。聖典にて修めた技の数々とくと見せてやろう!!」

傀儡の獣魔

ヴェルドラにミリムを任せたリムルは、ランガの元へ急行します。

ランガに事情を聞くと、相手をしているナインヘッドは操られてクレイマンに戦いを強いられていたのでした。

事情を聞いている最中、二体の獣が襲いかかってきました。ナインヘッドの獣魔で2本の尻尾が化けたものです。

リムルは二体の攻撃を軽く避けると、獣魔の相手をランガに任せ、一瞬でナインヘッドの目前にたどり着きました。

案の定、支配の呪法の影響をラファエルが感知しました。

リムルはナインヘッドの額にそっと手を当て、ラファエルが解呪する旨を告げた次の瞬間、一瞬で解呪を終えてしまいました。

支配の呪法から解放されたナインヘッドは一声鳴くと、ランガが抑えていた獣魔二体は瞬時に消え、ナインヘッド本体も小狐サイズに戻ります。

開放されたナインヘッドは安心した様子で眠りにつき、これでこちらは片付いたと言えます。

一段落したところで、クレイマン軍との戦争を終えたソウエイからクレイマンの本拠地を落としたとの連絡が入ってきました。

シュナが倒したクレイマン軍幹部「アダルマン」は戦闘時と別人かと思えるほど変わっており、リムルにとても会いたがっています。

またアダルマンがリムルに付くということは、それに付随して数千の不死系魔物(アンデッド)、お軍門に下るということになります。

さすがのリムルも部下の有能さと急展開に驚くばかりです。

さらに、ソウエイからはもう一つ報告が入ります。

何でも、急ぎで渡さなければならないものを発見したらしく、「胃袋」から確認して欲しいとのことです。

「胃袋」とは、暴食の王(ベルゼビュート)の権能、「食物連鎖」の効果でゲルドの胃袋にリムルもアクセスできるという大変便利なものです。

つまり、亜空間に収納されたものは、遠く離れたリムルも取り出すことが可能なのです。

すぐに確認をしたリムルは何かを納得した様子で頷くのでした。

喜狂の道化

「なぜ・・・なぜ効かん!?あのミリムすらも支配する究極の呪法・・・操魔王支配(デモンマリオネット)だぞ・・・!!」

クレイマンの動揺を隠せない原因は目の前の光景にありました。

「これは何のつもりです?痛くも痒くもないがもう少し待てばいいのですか?」

対峙しているシオンには、影のようなものがまとわりついており、どうやらミリムすら操れるスキルのようです。

ですが、当人であるシオンには全く効果がないようで、まとわり付いていた影は弾け飛び、霧散していきました。

「ビオーラ、何をしている!?さっさとこっちへ・・・」

たまらず、部下を呼びそちらに目を向けたクレイマンに、さらなる絶望が待っています。

ビオーラと呼ばれる悪魔は、ベレッタによってその体を貫かれているのでした。

ベレッタも多少の傷を負ってはいましたが、手をかざすと一瞬で完治してしまいました。

「ビオーラ」も「ナインヘッド」も「踊る人形達」も、その全てがリムルとその部下に完膚なきまでに叩き潰され、残るはクレイマンただ一人です。

「これで手詰まりか?まだ何か奥の手を隠し持っているのならさっさと出せよ。お前の計略は全て潰すって決めてるんでね。」

これまでに受けた数々の仕打ちに対し、リムルは有限実行しその全てを打ち破ったのです。

しかし、追い詰められたクレイマンは不適な笑みを見せます。

「そうか、そうだな。魔王、私は魔王なのだ。だから戦い方にこだわり、上品に、優雅に敵を葬ってきた。久しく忘れていたよ。自らの手で敵を捻り潰したいという高揚感をな!!」

追い詰められ覚悟を決めたのか、それともリムルに対し怒りを感じているのか、ついにクレイマン本人が戦闘の意思を見せました。

クレイマンの身体はどんどん変化を見せます。

背中からは四本の腕が生え、元々の両腕は筋繊維がむき出しになり、機械のような装甲が身体を覆っています。

危険を察知したシオンは、自身が出るという意思を見せますが、無言で静止したリムルがクレイマンの前へと踏み出しました。

「少しはマシになったじゃないか。見直したよ。魔国連邦国主リムル・テンペストだ。決着をつけようぜ。」

今まで姑息な手を使っていたとは思えない、威圧感にリムルもクレイマンを認め、正式に名乗ります。

「魔王・・・いや、喜狂の道化クレイマンだ。殺してやるぞ、魔王リムル!!」

クレイマンもリムルを「魔王」と認め、名乗りを上げるのでした。

 

(C)伏瀬
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まとめ:【転生したらスライムだった件】第18巻第80話~第83話まで!読破

今回は【転生したらスライムだった件】第18巻第80話~第83話まで!読破について紹介しました!

今回は特に今後の伏線と思われる発言が多かったように思えます。

シオンへ支配の呪法が効かなかったのは、シオンが呪い系統のスキルを得ているのか、ヴェルドラの「兄の一粒種」という発言は言葉通り叔父にあたる存在なのか、などです。

リムルの魔王化により新たなスキルをリムルの配下は恩恵として受けているので無い話ではありませんね!

伏線も注視していきたいですが、何よりも気になるのはクレイマンとリムルの因縁の対決ですね!

今まで、散々苦しめられたクレイマンには痛い目を見せて欲しいものです!

最後までご愛読ありがとうございました^^

 

    

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